海外大学院でインターンを取ってみた話

以前海外大学院でのインターンについて書いたのですが、2018年春のセメスターでは初めてインターン学生を受け入れて研究を進めてみました。

 

 

schunake.hatenablog.com

 

 

この2018春セメスターでは計4名のインターン (修士3名、学部生1名) を取り、うち2名は他のPhD 候補生と一緒に面倒をみました。今回は「インターン受け入れ側になる」というわりと貴重な経験を得たので書き記しておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

結論から言うと...    めっちゃ捗る!!

 

 

 

そして        技術の勉強になる!!

 

 

まず単純に、チームとしてシステム・プログラムに触る時間が数倍になるので、

  • 簡単な作業に充てる自分の時間が減る
  • 難しい問題に直面した時に2~3人で相談しながら解決できる
  • お互いの知識を共有・交換できる
  • 複数プロジェクトから知識・経験を得られる

といったメリットがありました。

 

 

特に、難しい問題に直面した時にシステム設計の全体を見直すか、問題を更に調べて解決に期待するか、諦めて撤退するか、といった判断は非常に難しいですし、これをソースコードのレベルで相談できるのは非常に心強いし精神的にも楽になりました。

 

自分は周りに技術的なことに関して相談するのがあまり上手じゃないな、と思っていたのですが (というか多分日本人は比較的苦手な気が...)、どんなことでもバリバリ相談してくるインターン生を見ると勇気付けられたりもします。

 

 

ちなみに今回は

  • 車両間通信 (Vehicular Networks & Communications) のハードウェアを含めた実装(2名)
  • 車両-クラウド間通信システムの開発 (1名)
  • 車両-クラウド間通信アプリケーションの開発 (1名)

といった振り分けです。

ネタは12月くらいまでに出し終えて、適切っぽいプロジェクト範囲に切り取って学生に手伝ってもらいました。

 論文になるかは微妙なテーマだけど、研究を大きく飛躍させる&研究テーマ周りの技術を理解/実装するためにはやっておいたほうが良いかな、くらいのネタを選んでいます。

 

 

プロジェクトを進める上で大切かな〜と思ったのが、ちゃんと「ハンズオンでミーティングをする」ということ、そして使える権威 (ボス) を使い倒すということでしょうか。

 

これはたぶん大学・研究所・会社、どこに行っても同じことが言えると思うのですが、実際にプログラムやシステムを触りながらミーティングをしないと上記のメリットがほとんどなくなるような気がします。

 

 

まぁもちろん、ミーティングには相応の時間が取られてしまうのですが、技術力を磨くことはかなり大事だと思うので、広く学ぶためにもこのあたりは大切にしていきたいと思います。

 

インターンを受け入れて思ったことですが、インターンの目的・将来プラン等々、それぞれの学生は異なった動機で研究室にやってきます。このあたりのことは自己主張してくれると非常に助かります。 (例えば 実装力つけたいとか、論文になりそうなネタやりたいとか)

 

 

夏はほとんどの修士/学部生が企業インターンに行ってしまうのですが、運良く3名の修士学生 (2名は春から引き続き) を確保できました。

2名にはハードウェアを含めた実装、1名には新しく始めたソフトウェア開発を手伝って貰おうと考えています。

果たしてどうなることやら。

 

 

国際会議 CPS Week 2018 の参加報告

やっと2018年春セメスターが終わって生活が少し落ち着きました.

無事 PhD Student から PhD Candidate (博士候補生)に昇格 (?) したので,より一層研究に集中してプロポーザルとディフェンス頑張りたいと思います.

 

 

4月にはCPS Week (Cyber-Physical Systems Week) に参加するためにポルトガルポルトに行ってきました.CPS Weekはサイバーフィジカルに関連する幾つかの国際学術会議・ワークショップ・コンペティションで構成される年 1 回のイベントで,ACM のSIGBED (≒組込みシステムの人たち) やIEEE TCRTS (≒リアルタイムシステムの人たち) が中心になって運営しています.

 

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ポルトの中でも歴史地区 (Historic Centre of Porto) と呼ばれる地区は,地区全体が世界遺産になっているらしく,美しい街並みと美味しいポルトワインを堪能してきました.やはり国際会議はヨーロッパ開催の方が楽しいし,なんとなくホスピタリティーも高い気がします.会場での昼食にもワイン出してきますし.

 

イベント会場はボルサ宮 (Bolsa do Porto) というこれまた歴史的な建物だったのですが,イベント中はこの建物全体を使った Indoor Localization Competition (屋内位置測位技術のコンペ) や F1/10 (自動運転技術を使った車のレース) で色々な所にセンサ類が設置されていました.歴史的な建物なはずだけど...

 

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(↑ボルサ宮の中.GPSの届かない中での位置測位のために,各種センサを建物内に埋め込んだり貼り付けたり...)

 

研究論文を扱う国際会議の方はというと,CPS Weekでは4つの国際会議が同時に開催されています.ハイブリッドシステム (HSCC) / サイバーフィジカルシステム (ICCPS) / センサネットワークシステム (IPSN) / リアルタイムシステム (RTAS) と,どれも分野のトップレベルの研究が集まる会議で,どの会議も論文採択率は 20-25%と非常に competitive なものとなっています.

 

 

我々も,サイバーフィジカルシステムの ICCPS にフルペーパーを通して,Dynamic Intersections and Self-Driving Vehicles という題目で研究発表を行いました.ものすごく簡潔に凝縮すると,地図情報には入っていない交差点 (動的交差点; ダイナミックな交差点) 周りで複数の自動運転車の衝突をどう回避するかという話を扱っています.

関連して,マイナビニュースのテクノロジーチャンネルに寄稿文を寄せています.

 

信号がいらなくなる未来 - 自動運転車と「サイバー信号機」 | マイナビニュース

 

今回の研究は着想したのが2016年夏,約2年かけて色々な人と議論した末に出した研究論文だったので自信があったのですが,残念ながらベストペーパー賞はおろかベストペーパー賞ノミネートすら逃しました.

 

 

まぁ改めて読み直してみると,論文中での議論に欠けている部分があったり,実世界での実装/評価が物足りなかった気がします.

博士取得前に一度トップ会議の論文賞を取りたいところ.

 

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(ポルト最終夜: ラボメイトと )

 

 

 

リアルタイム交通データを集めてみる

 

ちょっとプロジェクトでリアルタイム交通データを触る機会があったのですが,最近は混雑状況や路面工事に関するデータをリアルタイムかつオープンに提供するサービスがけっこう増えてきているみたいです.

 

日本でも公共交通オープンデータに関するシンポジウム (https://peatix.com/event/347711/ とか) が開催されたり,#東京公共交通オープンデータチャレンジ が開催されるなど,わりかし賑わってきている分野のようですね.

 

自分はというと2015年に,

北京のバスサービスが提供するリアルタイムデータをクロールして収集→グラフ理論を使ってデータマイニング→人の集まる大規模なイベントの早期検知という研究に携わっていました.

(→ 国際会議 SIGSPATIALで発表しました.資料:

https://www.researchgate.net/publication/319768136_An_Early_Event_Detection_Technique_with_Bus_GPS_Data)

 

論文を書いているときは,細かい技術や手法・評価方法の設計に多くの時間を割きましたが,もしかすると「公共交通オープンデータを都市解析に使った研究事例」という点にも新規性があったのかもしれません.

(タクシーや個人乗用車のGPS軌跡を使った事例はありましたが,これらは公共交通とは言えるか微妙なので…)

 

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(論文で使った図です.北京の路面バスは時刻表がほぼ存在せず,渋滞や事故にかなり大きな影響を受けます.今回はその点を利用してスポーツやコンサート,展覧会などの大規模イベントを検知する技術を発表しました)

 

 

 

 

 

さて今回はリアルタイムかつオープンに提供されている交通データ,とりわけ路面状況に関するデータを取得してみました.以下,2週間くらい毎日データとにらめっこして得た雑感です.

 

対象として調査したのが,(i) Microsoft Bing,(ii) waze,(iii) MapQuest,(iv) HERE,(v) INRIXです.

このうち(iv) HEREと (v) INRIXは有料サービスだったので今回は除外です.

 

(i) Microsoft Bing ( https://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh441725.aspx )

Traffic APIが提供されていて,インストラクションもかなり丁寧です.

クエリとして2つの位置情報 (Lat Lon) を投げると対象地域の工事状況や事故を位置情報付きで返してくれます.(範囲・方向に関する情報は提供されていません.)

対象地域は Bounding box,四角形の境界です.

json でも xml でもデータが取れます.

MSが提供するだけあって,イベントの多様さ (工事,封鎖,警報など11種類)や深刻さの数値は信頼できるデータが取れましたし,アメリカ/日本含めて世界中様々な地域のデータを提供しています.

一方でリアルタイム性 (例えば突発的な工事や封鎖) には少し弱いのが特徴です.

 

 

(ii) waze ( https://www.waze.com/ )

スタートアップとしてGoogleに買収されたサービス.Google map とは開発チームが別のようですが,一部のデータはGoogle mapにも使われているようです.

クラウドセンシング/参加型センシング型のサービスで,ユーザが工事や事故をサービスに報告すると,サービスに反映されるというものです.

 

アプリで見ると工事や道路封鎖だけでなく,パトカーの位置や混雑/路面の穴ボコ が見えます.(アメリカの路面は穴ボコ/potholesが多く,タイヤパンクの遠因にもなります)

 

APIを使って2点の位置情報 (スタート地点,ゴール地点) をクエリとして投げると,最適経路と車で必要な時間を返してくれます.残念ながらjson/xmlフォーマットでのデータ提供は現在行っていないようです.

 

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(wazeのアプリ画面.工事状況やパトカーの位置が見えたりします.最近はPokemon Goの代わりにこちらを見ながら街を歩いています.)

 

 

 

(iii) MapQuest ( https://developer.mapquest.com/documentation/traffic-api/ )

こちらもMicrosoft Bingと同様に,位置情報から対象地域の工事状況や事故のデータを返してくれます.

実際に使って比べてみた所,混雑情報に関してはMapQuestの方がかなり詳細なデータが取れる一方,工事・路面封鎖はMicrosoft Bingの方が多くの情報を提供しています.

 

またMapQuestではテキストデータではありますが,混雑・工事の位置と方向を <from … to …>の形で返してくれるので,使い方次第で街中でのリアルタイムナビゲーションや都市解析にも使えそうです.このクオリティのデータが無料で配信されているのはありがたい.

 

 

と,こうして見てみるとリアルタイムの路面データも結構公開され始めているみたいですが,まだまだ発展しそうな気配はします.

 

自分が2012年-2014年の修士課程で関わっていた『参加型センシング』を使ったサービスが既に社会で使われているのには驚きました.やはり情報系は動きが早い.

 

 

研究インターンするなら海外の大学院も視野に入れて欲しい

アメリカの大学院に来て3年目に入ったので,研究インターンを雇い始めて研究プロジェクトを手伝ってもらっています.

年末年始に日本にいる研究仲間と「海外研究インターン」について話すことがあって,その際に考えた & 伝えたことを書き残しておこうと思います.

アメリカで働く教授クラスとかになると,一部異なる意見を持つかもしれません.

 

 

さて海外での研究インターンというと企業・研究所 (Microsoft ResearchとかGoogleとか) が多い印象ですが,我らがカーネギーメロン大でもCS系では研究インターン生を結構受け入れています.ちなみに,僕はこっちに来てから「大学院での研究インターン」の存在を知ってビックリしました

 

雑感ですが,半数はカーネギーメロン大の先生との間接的なコネを通じてやってきた人,残りの半数は自分で受け入れ先の教授に直接コンタクトを取ってやってきた人,という感じです. 大体3ヶ月~1年間滞在している感じでしょうか.他大の修士課程・博士課程に在籍している人もいれば,他にポジションがない人もいます.(修士課程卒業後に来たりとか)

一応「Research Intern scholar (訳すと研究インターン)」とか「Visiting researcher (客員研究員)」とかカッコいいポジションも貰えたりします.

 

僕のところでは,1ヶ月前から雇い始めた子が1人,今月に入って雇い始めた子が3人で,今は計4人と一緒に研究 & 開発をしている感じ. そのうち3人は学内の修士課程の子で,いわゆるResearch Assistantのポジション.残りの1人はアメリカ国外の大学からの留学生です.自分の研究指導教官からのagreementももらっています. 

 

 

海外の大学院でインターンするメリットとしては

・学位留学ほどのコストをかけずに,海外トップ大の研究室で研究経験が積める

・上手くいけば論文が書ける

・海外の大学院 (博士課程/修士課程) への出願時や研究所のポストに応募する際にReference (推薦書) を書いてもらえる

・新しい研究テーマ・研究分野が開拓できるかもしれない (デメリットと表裏一体)

 

このあたりでしょうか. 実際に弊ラボでインターンした後に,カーネギーメロン大やワシントン大の博士/修士課程に出願して合格オファーをもらった子は複数いますし,カーネギーメロンのPhDプログラムに在籍している人の30%くらいは他大での研究インターンを経て,合格オファーをもらっています.

 

デメリットとしては

・研究拠点を日本→海外,海外→日本と動かすので相応の手間と時間がかかる

・これまでの研究テーマの変更を強いられることもある (メリットと表裏一体)

 

研究テーマに関しては,そもそもインターン生が興味の無いことを割り当てるのは受け入れ側から考えてもあまり好ましくないので,相談しながら決めていくのが多くのケースに当てはまると思います.

 

 

受け入れる側になって初めて気付いたことですが,とにかく学外から学生を受け入れる際には,テーマのマッチングと信用が最も重要です.

1番困るのは,受け入れて,時間を割いたのに何も成果を出さず,何も作ってくれないケース.そして途中でラボに現れなくなるケース.

この最悪のケースを避けるために,学生の興味や動機づけ,努力してくれそうか,等々を考慮して選考&配置します.

 

アメリカの大学院にいる教授は多忙なので,インターン応募のメールを送っても返信が来ない...ということは多々あると思いますが,いざ「インターンを取るぞ!」となった時にはメールボックスに検索をかけて良い候補者を探したりもするので,とりあえずメールを送っておくのは有効だと思います.

うちの研究グループだと,Self-driving vehicle (自動運転車) に関する要素技術 (画像処理・通信・ロボティックス・組込システム etc.) あたりを研究テーマにしている人なら受け入れる可能性があります.

 

 

現状,カーネギーメロン大に来ているインターン生の大半はインド・中国からの学生,次いで東欧系・韓国・タイからの留学生が多く,今在籍している日本人インターン生は学内見渡しても片手で数えられるほど,という感じです.

もうちょっと増えても良いような気がします.

 

カーネギーメロン CyLab の研究システム

研究留学Advent Calendar 2017 3日目の記事です.

アメリカのカーネギーメロン大のPhD Programに入って3年目に突入しました.海外生活や出願Tipsは他のところに書いているので,今回はアメリカのラボの住生活環境,研究活動を促進させる環境について書いていこうと思います.

 

ちなみに留学生活や出願に関しては下記の資料に記しています.

船井情報科学振興財団 - 留学報告書

海外PhD出願と研究生活 - 海外大学院留学説明会@東京大学

 

また,研究の詳細については個人のページに色々書いています.

青木俊介のページ

 

CSの中でもコンピュータシステム系と呼ばれる分野に属していて,組込みシステムやネットワーク・ロボティックスに関わる研究を行っています. 

 

 

さて,先にAdvent Calendarのテンプレートに添って書いておきます.

僕は早稲田 理工(学士)→東大 情報理工(修士)→カーネギーメロン と所属を変えています.東大の修士課程に入る時点では「海外で研究生活したいな〜」となんとなく考えており,東大修士時代の指導教官にも早めに相談していました.

海外の有名大学院に入るためには,推薦状/エッセイの提出等,周囲の助けが必要不可欠になる場面があるので,早めに周りを巻き込むのが重要だと思います.

 

さて,今回の本題に移ります.

そもそも僕は研究グループとしてはReal-Time Multimedia Systems Lab (RTML) に所属していますが,同時にCyLabの一員として研究活動をしています.

RTMLの方ではグループミーティングがあったり,研究プロジェクトが走っていたりしますが,CyLab自体が研究主体になることはほとんどありません.

CyLabは,カーネギーメロンのある建物のあるフロアの研究者軍団を指します.PhD候補生だけで50人くらい所属しています.

(つまり,CyLabの研究者たちは各々違う研究分野を持っています.セキュリティ/プライバシーが多いですが,無線やコンピュータシステム/データベースをやっている人もいます)

このCyLabが結構良い研究システムを取っているので,今回はここに焦点を当てます.

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1. 壁がない

文字通り,CyLabのPhD候補生/ポスドク/訪問研究員のオフィスには壁がなく,分厚いパーティションのみで区切られています.研究グループごとの区切りも,ポジション/年齢による区切りもありません.(もちろん教授陣は各々部屋をもっていますが.)

 

分野の枠を超えた共同研究を促進するための設計らしいですが,物理的にも学問的にも,研究室の殻に閉じこもることが出来ないので,非常に良いシステムだと思います.

ラボの所々にホワイトボードと会議室があるので,PhD候補生間の議論もかなり盛んです.

 

実際,僕自身が論文を書く際には毎回,CyLabのPhD候補生数人にピアレビューをお願いして,アブスト (論文の概要部) やイントロダクション,図の作り方等色々とフィードバックをもらっています.(もちろん他の人からピアレビューを頼まれたらなるべく断りません.時間は取られますが,隣接分野の論文がどう組み立てられていくか見れることは良い勉強になります.)

 

また,今セメスターは週1回,CyLabのPhD候補生3人で集まってショートトークの(ホワイトボードを使って5-10分で研究/技術の概要をプレゼンする)練習をしています.研究に直接関係無くとも,英語で議論する力はかなり鍛えられているような気がします.

 

2. Student セミナー

CyLabに所属する研究員が対外発表,学内の重要なプレゼンがある時にはCyLabが「Student セミナー」の名目で研究発表の場を用意してくれます.

セミナーに出席すると無料のランチとドリンクがCyLabから提供されます.出席者からすると,最新の研究成果を見れる+タダ飯が食べられる,発表者からすると分野内外の研究者からフィードバックがもらえる,という仕組みです.

 

僕はCyLabに加入してから2回セミナーを行いましたが,想定される質問を投げてくれる方やスライドの細部にまでコメントをくれる方がいるので結構重宝しています.

(ちなみに僕は今季からこのStudentセミナーの責任者をやっています.まぁほとんど事務員の人が取り仕切ってくれるのですが.)

 

先日はStudentセミナーで企業インターンシップについてのパネルを行いました.

CyLab Student Seminar - Special Session: Internship Panel

 

 

 

3. スナック/ドリンク無料

CyLabにはソフトドリンク用の冷蔵庫とお菓子置き場があり,コーラ/ミニッツメイド/7up等は無料で飲めます.スタバのコーヒーも常備しています.

まぁ僕はソフトドリンクなんてほとんど飲まないんですが,気持ちよく研究をさせてくれる環境 (やる気を出させてくれる環境) は非常にありがたいです.

まぁこれは金のあるアメリカ私立大学だからこそ実現できている,という気もしますが...

 

4. インターンシップ制度

CyLabに限らず,カーネギーメロンでは広くインターンシップのポジションを募集しています.大半は研究グループに所属して,PhD候補生の研究の手伝いをしてもらったり研究に使うツール (ソフトウェア/ハードウェア)をつくるポジションです.(成果を学術論文にまとめる人もいます.)

ほとんどはカーネギーメロン修士/学部の学生が雇われますが, 稀にアメリカの他大やアメリカ国外からの学生も受け入れます.

 

僕も今季1人の修士学生に研究を手伝ってもらいました.来季からは新たに2人の学生(無線通信系,機械学習系)を受け入れて,研究を加速させる予定です.

(日本の修士・博士課程に在籍していても応募可能なので,もし興味がある/憧れる研究グループがあれば積極的にアタックすると良いと思います.タイミングが合えば,給料付きで取ってもらえます.)

 

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CyLabはインターンシップ学生用のオフィス/作業スペースも備えているので,我々CyLabに所属する研究員も,わりと気軽にインターンシップの応募をかけられます.

(学生への見返りとしては,「学術インターンシップ」として単位をあげるか,給料を支払う2通りがあります)

 

こんなところでしょうか.

もちろんカーネギーメロンの研究環境が全て同じようなものではありませんし,今回取り上げた研究環境は,CyLabを運営している方々の努力の賜物だと思います.

カーネギーメロン大の中でも,劣悪&汚いラボは存在しますし,今回取り上げた以上にクオリティの高い研究フロアもあります.

研究留学の場合,生活の時間が家よりもラボの方が長い,ということもザラにあると思うので,滞在するグループの研究環境も含めて滞在先を選定できると良いですね.

なにより,こういうやる気を出させてくれるラボ・研究環境を日本にも作っていきましょう!

 

そして28歳の,アメリカで迎える3回目の誕生日でした!

 

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博士課程一問一答

 

 博士課程 Advent Calendar 2014 のエントリーです。

 

Q0. 筆者プロフィール

国立大の情報系 博士課程1年

流れとしては、都内私立大(電子・物理系)→ 国立大 大学院(修士&博士/情報系)

通信・ネットワーク工学・モバイルコンピューティングとかをやってます。

 

 

Q1. 博士課程ってなんですか

一人前の研究者になるための修行期間だと思っています。

具体的には大学卒業後に大学院に進学。大学院は(日本だと基本)修士2年+博士3年。

ちゃんと成果を挙げられると博士号がもらえてDr. XX XX とか名刺に書けるようになります。

 

Q2. なんで博士課程に進学するんですか

人により様々だと思いますが、自分の場合は

 

  1. 修士の時点で研究が楽しいと思えたから。
  2. 企業とかに縛られずに自分の力で世界と勝負してみたいと思ったから。
  3. 頭が良い人がたくさんいる(≒怪しい人が比較的少ない)環境に身を置きたかったから。

 

といったところでしょうか。進学している人は大抵研究が好きな人だと思います。

 

 

Q3. 普段どんな生活してんのさ

朝4時に起きて夜11時に寝る日もあれば、昼14時に起きて朝8時に寝ることもあります。良くないですね。所属している研究所にベッドとシャワーがあるのも非常に良くないです。

 

基本はラボで作業していますが、集中して論文書く時はルノアール/図書館を重宝しています。なるべく自分の体を家の外に出すことが大事な気がします。

 

プログラミングってやつをする時は、なるべくまとめて時間をつくるようにしています。

 

あと決められた休日は基本無いです。なので、ひたすら働き続けるか、自分でプライベートの予定を入れて休日にするか。平日に急に休んで温泉に行こうが旅行に行こうがほぼ誰も文句言いません。成果さえ出せば。

 

  

Q4. 在学時の金銭問題に関して一言

日本学術振興会の特別研究員(学振DCってやつ)をもらっているので個人的には問題無く生活しています。がしかし給料低いので博士に行くインセンティブにはならないですよね。

あと学費は年間50万円くらい払っています。

 

よく「博士100人の村」みたいな博士の暗いお話がネット上に転がっていますが、電気・情報系は民間企業にも就職できるのであんまり関係無いと思います。

 

 

Q5. 学振について

修士2年5月の時点で、

国際会議フルペーパー1本+ショートペーパー1本+国内論文誌条件付採録+国内学会賞2つ

で応募して、面接免除で採用されました。

 

所属ラボには先輩の遺産はほとんど無かったんですが、ボスと助教の先生・学内の先輩に書類を見て添削して頂けたのが非常に大きかったと思います。研究費も自由に使わせてもらっています。

学振は物質的な恩恵はもちろんのこと、精神的な恩恵が大きい気がします。自分の科研費持ってるんだぞ(ドヤ…という意味で。

 

Q6. インターンについて

研究インターンは行ったことないです。早めに行きたいと考えていて、最近やっと動き始めました。

 

修士の時には某財閥系企業でデータマイニングインターンを2週間程しました。まぁまぁ楽しかったけど、研究の方が圧倒的に楽しいですね。お給料くれて、かつ実データ触らせてくれたので良い企業だと思います。

 

あと学部の卒業式の次の日から、修士の入学式の前日まで某国のジャングルに所在するNPOで2ヶ月程 インターン 住み込みで働いてました。人生的には非常に良い時間だったと思いますし、研究のモチベーションにもなった貴重な経験でしたが、後頭部に十円ハゲができました。ストレス怖いですね。今はちゃんと髪生えています。

 

まぁ大学院入るまでは色々やっておいた方が良いと思います。

  

 

Q7. 楽しいこと3つ

(1) 世界を変えられる

(2) 自分の時間を好きなように使うことができる

(3) 学会発表とか出張で割と頻繁に海外に行ける。個人旅行で一生行かなそうな国・都市にも行ける

 

モチベーション的には (1)が重要で、数十年・数百年後の人類の哲学とか常識をつくるのは主に研究だと思ってたりします。

 

 

Q8. つらいこと3つ

(1) 現時点で世界を変えられていない (変えるほどの成果があがっていない)

(2) 論文reject (採録拒否ってやつ)

(3) ひたすら孤独 (1日中誰とも話さないとかザラにあったりする)

 

基本的につらいです。

 

Q9. 現時点で後悔していること

修士課程在籍中に海外トップラボ (Microsoftの研究所とかGoogleとか)にインターンに行かなかったこと。

あともう少し技術力を付けておきたかった。

 

  

Q10. 博士課程に向いている人

  • 研究を楽しいと思える人。
  • 地味な作業ができる人。
  • 世界を変えたいと思う人。

 

 

あと社会人ドクターどうなんよ?という話もありますが、制度としては存在していた方が良いと思います。金銭事情は人それぞれなので。

 みんな博士号取りましょう。